【寫眞の唄】二〇二四年四月一二日 金曜日

子供の時というか、2歳くらいの時、

物覚えがついたタイミングというべきか。

両親が喧嘩していた。

父が怒って電話機を投げて、僕の顔に当たって腫れ上がったことがあった。

そのときにたくさん泣いた。

わざとたくさん泣いた。

たくさん泣けば、ふたりが心配して溜飲が下がり、喧嘩が収まると思ったからだ。

大粒の涙を溢しながら、あぁよかった、と思っていたことをよく覚えている。

それが物心ついたタイミングだ。

電話が飛んできてすごい大きく見えたことまでよく覚えている。

間違いなく、僕はアダルトチルドレンと言われる類だろう。

それが嫌な思い出なのかというと、どうかわからない。

そのままずっと生きているから。

嫌だと思うなら、ほぼ全ての人生の否定になる。

人は自分の過去を美化したがる生き物だ。

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